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仕事や旅行、ライフスタイルを通して建築やデザインの魅力を発信するブログ。

就活・転職に役立つ建築系お仕事事情

 こんにちは。

今回私が学生時代から携わり、今も仕事としている建築系のお仕事事情について簡単に紹介できたらと思います。

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建築(建設)業界とは

 建築業界(人によっては建設業界)は、私たちの住宅や働くオフィス、買い物に行く商業施設など非常に多くの部分を支えている業種になります。

しかしながら一昔前は「きつい」「汚い」「危険」という3Kが浸透してしまっていることもあり、あまりいいイメージではなかったかもしれません。(正直これは否定できないところはあります。。。)

いわゆる3Kに当たるのは、よく工事現場にいる、耳に鉛筆を挟んでいるようなガテン系のおっちゃんやちょっとやんちゃそうなお兄ちゃん的な人のことではないでしょうか。

実際はそのような方は3Kの仕事を非常に楽しんでいますし、人柄も優しい人が多いです。

汚いだのワーワー言っている方はその立場で働いたことのない外からの声を拾ったd家に過ぎないのかな、という印象です。

もちろんそのような面だけでなく、設計者やデザイナーは華やかなイメージがあり、建築系職種の花形と言えるでしょう。

私は前職では設計もしましたし、お客さんとも対話しますし、現場監督もしました。

もちろんすべてがいいことばかりではなく、一長一短あります。

これから建築業界を目指す学生の方や、今の職場からステップアップするために転職を考えている方などの参考になればいいなと思います。

建築業界を目指す学生にオススメの業界

 建築を仕事にする人の多くは今も大学などの建築学科に所属している人が多く、それに加えて営業職などを志望する人は、建物を見たりインテリアが好きだったりする人ではないかなと思います。

その時点でそれぞれの方がどの職種に行きたいかはある程度固まっているのかなとも思いますが、それぞれの企業で多いのが、

  • 営業職 - 顧客の窓口となり、プロジェクトのチームをまとめる。
  • 設計職 - 要望に合わせて理想となる建物や内装などを設計し、図面を作成する。
  • 施工職 - 最適な施工方法を検討し、工事現場を安全かつ迅速に管理する。

の3つの職種。場合によっては企画職、プランナー職などもありますが、募集はわずかな場合が多い。

一般的にはゼネコンやハウスメーカーといった、建築色の強い会社が有名だと思うので、今回はそれ以外一般的には浸透していないが、個人的に建築で働くにおすすめできる分野が下記になります。

不動産系建築職「不動産 素材 フリー」の画像検索結果

 建物を扱う不動産業ですから、もちろん建築に携われる仕事です。

不動産という言っても仲介だったり投資用不動産だったりと細かく種類は分かれてきますが、建築系となると、ディベロッパ(デベ)になってくるのかと思います。

デベでの建築職という立場になると、先に挙げたような設計職などとは少し異なり、それよりもさらに上流の発注者・建築主という立場で携わることができます。

不動産系全般的に言えることなのですが、入社できてしまえばその先は非常に安泰です。給料も建築系企業より良く、残業も少ない優良企業が多いです。

逆を言えば、入社できるハードルは非常に高いです。募集要項的に最初から建築職を定めている企業は少なく、総合職で入社後に建築関係部署に配属になる流れになると思います。そのため、ライバルは同じ建築学生だけでなく、文系のキラキラ学生ともその席を争うことになります。

一般的にも不動産業界は人気のある職種なので、建築を学んできたことを武器にアピールして入社をつかみ取りましょう。

◆企業例:三井不動産/三菱地所/森ビル/NTT都市開発/野村不動産

◆メリット

◆デメリット

  • 就活の際、建築以外の文系などもライバルになり、ハードルが高い

ディスプレイ業「店舗 画像 フリー」の画像検索結果

 なかなか聞かないかと思いますが、意外と馴染みのある空間を手掛けています。ディスプレイと聞くと物を陳列したりする?みたいなイメージかと思いますが、その職域は非常に広いです。

代表的なものとしては、店舗・商業施設、美術館、展示会、公共施設、が挙げられ、これらの内装や外装をデザインし、工事を行うのがディスプレイ業の概要になります。

日ごろからなじみの深い場所にかかわれるので、社会への影響力はまあまああると思います。建築とは違い工期が非常に短いので、年間で大小合わせて何十件も担当するのが特徴で、スピード感をもって取り組むことが必要になります。

 こちらも、営業/設計/施工と職種が分かれています。営業職に関しては文系の方も応募してくるので、コミュニケーション能力やチームリーダーの要素を見極められます。

現場にいるような業者さんとのコミュニケーションも重要になりますが、そこにストレスを感じてしまう方もいるかもしれません。

商業施設の中の店舗なんかは、日中に工事ができないので、夜間の現場に行くことも多くなり、生活が不規則になってしまう場合もあります。

お給料は基本給はそこまで多くはありませんが、業界的になかなか残業が多いので、残業代で稼いでいく、といったイメージです。

◆企業例:乃村工藝社/丹青社/スペース/船場/ジーク/博展…

◆メリット

  • 日常的になじみのある空間に携われる
  • インテリアなどオシャレな空間に携われる
  • 担当物件が多くやりがいがある

◆デメリット

  • 残業が多くなる傾向がある
  • 夜勤や休日出勤も発生し、生活リズムが不規則

※私も前職はディスプレイ業でした。

オフィス空間設計

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 上記のディスプレイ業に似ているのですが、内装の中でもオフィスを専門的に設計・施工を行う分野になります。最近ではベンチャー企業が多く起業したり、働き方改革にともなったオフィス構築などで需要がより増えています。

オフィスは内装のデザインだけでなく、ネットワークであったりセキュリティ、生鮮性を高める仕組みなど、ハードだけでないソフトな仕組みを考える必要があることも特徴に上げられます。

企業の拠点となる場所ですので、それそれのこだわりや個性が出てきて、そのたびに新たな提案を行えるので、毎回同じようなものを繰り返すのではなく、新鮮さを求める方にはピッタリかと思います。(もちろん机を並べるだけのオフィスもありますが、、)

オフィスの新設の場合は日中が多いのですが、既存のオフィスのレイアウト変更などは人がいないときに行うので、夜間や休日での現場になることも多いです。

ですがディスプレイ業に比べて、やはり働くことを考えるので、自社もワークライフバランスには気を使っている会社が多く、若い人が楽しそうに働いているの印象です。

◆企業例:ヴィス/フロンティアコンサルティング/三井デザインテック/メック…

◆メリット

  • 顧客の個性に合わせた設計や提案ができる
  • ワークライフバランスが優れている企業が多い
  • オシャレなオフィスで働ける

◆デメリット

  • 夜間や休日出勤も発生する

転職を考えている方にオススメの業界

 今転職を考えている方、ある程度経験のある方についてはその経験を生かしてキャリアアップすることを念頭に、また違った視点でも建築に携わることができます。

上記に挙げたもの以外に、ある程度の経験があることが前提になりますが、以下のような仕事があります。

メーカー・飲食企業店舗開発部門

 店舗を持つ企業の開発部門になります。全国展開するチェーン店をはじめ、自社の展開するサービスを発信するためのお店作りを事業主として進めていく立場になります。

設計や工事を行うのはあくまでも設計事務所だったり上のディスプレイの企業だったりですが、そこから提出された図面や見積もりを見て最適かどうかを判断する役割になります。基本設計だけは自社で行い、それ以降の実施段階は協力会社に、というパターンもあります。

お店には建物以外にもレジだったり備品類だったりを手配する必要がありますが、そちらを手配する段取りを進めるのも開発部門の仕事の一つになります。

新規の出店などがない際も物件探しや、既存店舗の保守対応など、全国を駆け回る人も多く、各地のおいしいものを食べられるのも楽しそうです。

こういった部門は人数が少なく、業務量が多かったり、ノウハウがあまりない中で行っていることもあるので、新卒というよりは中途で即戦力として入社してくれることを期待している企業が多そうです。

印象としては給料が高いとは言いずらい面もありますが、設計や施工を実働するわけではないので、残業はあまり多くありません

◆企業例:全国展開店舗の企業(飲食・物販・サービス等)

◆メリット

  • 発注者・事業主として設計者・施工者を取りまとめられる
  • 全国各地を訪れることができる
  • 残業が少ない

◆デメリット

  • 給料が多くはない
  • 同じような店舗を続けてみるので、マンネリ化する

不動産系建築職(要資格)

 学生におすすめでも書きましたが、やっぱり不動産は魅力的です。不動産業界の建築職は全体的に高齢化が進んでいるらしく、転職サイトにも多く出てきます。

しかし求められている基準が高く、

そこから初めて応募できるレベルです。

私も転職活動をしていたころは資格を持っておらず(その2か月後に合格)、いくつもの企業に応募しましたが、完全に相手にしてもらえませんでした。今転職活動ができるならもう一度チャレンジしたいです。

業務内容はデベロッパーの新規開発プロジェクトでのプロジェクトマネジメントコンストラクションマネジメントになります。事業主側として専門知識をもとに、設計者や施工会社をまとめる役割になり、業務のレベルも高いです。(おそらく。。)

ワークライフバランスや福利厚生が整っている会社がほとんどですので、ぜひ一度チャレンジしてみたい仕事です。

◆企業例:三井不動産/三菱地所/ヒューリック/森ビル/NTT都市開発/野村不動産

◆メリット

◆デメリット

  • 入社するためのハードルが高い
  • 多彩な知識が必要になる

オフィスPM・ファシリティマネジメント職

 上記の不動産建築職が、売りに出すものをマネジメントする立場なのに対して、オフィスPMやファシリティマネジメントは自社の保有する不動産施設を管理する業種になります。

大企業になると複数の拠点があり、一般的には総務部門の一員で行うような業務が、その数の多さから手を回せなくなり、建築部門・ファシリティ部門として存在するような形になります。

設計などのことについてももちろん考えますが、自社の施設なので、その資産の運用面についても言及しながらマネジメントを行います。専門知識をもとに、各社のより細かな専門分野の協力会社をまとめるプロジェクトマネジメントを行います。

オフィスを扱う企業全般ですが、自社の働き方を考慮するので、残業もそこまで多くはありません。

 ファシリティマネジメントについては現在私が職としており、過去記事にもしていますのでそちらも併せて参考にしてください。

brog-zumabayashi34.hatenablog.com

資格があれば建築系は仕事を選べる!

 不動産系建築職のところでも書きましたが、資格がないと相手にしてもらえないところもありますし、必須でなくても、資格があれば非常に大きな武器になります。

取得できるまでには実務経験が必要だったり、膨大な勉強時間も必要だったりと犠牲にする部分もありますが、将来に向けての投資だと思えば安いものです。

建築士建築施工管理技士

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 建築系の資格と聞いたら一番に上がるのが、一級建築士でしょう。建築学科を卒業したならば必ずと言ってもいいほど目指すのがこの資格です。二級建築士もありますが、二級は住宅などの小規模な建築物にしか対応できないので、上記で上げているような企業ではそこまで武器にはなりません。ハウスメーカーなどでは優遇されるかもですが。。

独学で合格するのは非常に難しいので、予備校に通うことになると思います。年間で100万程ですが、一発で受からないとお金だけが無駄になってしまいます。

受けるのならば覚悟をもって一発で受かりましょう!

(自分は学科で1回落ちました。。2回目で学科合格、製図は一発合格)

 ▼一級建築士合格のためのコツはこちら

brog-zumabayashi34.hatenablog.com

あまり知られてはいないですが、建築施工管理技士という資格もあり、大きな現場を仕切るために必要な施工側の資格です。こちらも難関資格であり、それなりの経験がないと取る気にもならないかもしれません。

宅建

 建築分野でも意外と宅建士を求めている企業は多くあります。

宅建業法で、宅地取引業を行う企業は10人に1名は宅建士が必要になるので、会社の拡大には宅建の資格を持った方が不可欠なのです。

建築士の資格を持っていればある程度内容がかぶっている箇所もあるので建築士をとった後のプラスアルファとしてとれば大きな武器になります。

私はここ2年受けようと思って参考書を買いましたが…

ENGLISH!

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 グローバル化が進んでいる昨今では英会話ができる方はどの分野でも重宝されます。英語が話せるから海外のプロジェクトを担当できる、となるとそれだけで即戦力ですし、おそらく給料も上がります。

英検何級かよりかは会話力だったりを気にしていそうな印象です。

逆にあまりオススメできない業界。。

 あまり言いたくはないのですが、、、

建築業界の中にもブラック企業と呼ばれる会社もあります。企業以外にも3Kの仕事もまだまだ残っています。

ゼネコンの施工管理職は早朝から現場に行き遅くまで発注や段取りの確認をしたり、おじさんたちに付き合ったりが非常に多く、体が心配になります。

全体的に施工管理は、真夏でも長袖長ズボン、ヘルメット、安全靴のフル装備なので、ほんとにしんどいです。

人それぞれなので、建物ができていく過程に携わりたい方は日々の管理は楽しいかと思いますので、あくまで個人的な主観だと思ってください。

合う合わないは自分次第!

 いろいろ紹介しましたが、まだまだいろんなことを行っている企業はたくさんあります。正直入ってみないとわからない部分も多くありますが、何となくわかっていただけたら嬉しいです。

定年する年齢も上がってきている近年、この先数十年を共にする仕事なので、自分になった仕事・職場を見つけましょう。