【令和の注目の建築系職種】ファシリティマネジメント業界に転職したら
私が現職に転職して約9か月経ちました。
もう9か月も経ってしまったのかという印象もありながら、新たな仕事・仲間・街で働ける楽しさを感じています。
もともとは建築関係トントントンな仕事をがっつりやっておりました(自分でトントントンはしないです)が、今ではファシリティマネジメントというあまり聞きなれない職種でプロジェクトマネージャーとして働いております。
今回は私が現在、仕事としてご飯を食べさせていているファシリティマネジメントという仕事について紹介しようと思います。
ファシリティをマネジメントする?
ファシリティマネジメントとは、そのままファシリティをマネジメントする仕事です。
と言ってしまったらそこでこのページは終わってしまうのでもう少し丁寧に話します。
私もまだまだペーペーな身なので、難しいことはなかなか偉そうに言えないので、できる限り専門用語を使わずに説明します。
そもそもファシリティって?
ファシリティ(facility)とは、施設、設備、便宜、融通、便利さ、などの意味を持つ英単語。 外来語としては施設、設備、建物といった意味で使われるほか、そうした固定的な物的資産を総称する用語として用いられることが多い。
とのことですが、実際に仕事として扱うファシリティには以下のようなものがあります。
まずはオフィスや病院などの建物。また、その中にある机やいす、機材なども重要なファシリティです。
一方でそれらの机の中などに入るような本や筆記用具、個人のパソコンなどは一般的にファシリティとは呼んでいません。
私たちの周りはファシリティであふれているのですが、なかなかその重要性に気づいておらず、あって当たり前という印象ではないでしょうか。
あって当たり前だからこそ、ファシリティについて考えるプロが必要でもあるのです。
マネジメントをするのはハードだけではない
これらのファシリティをマネジメント、管理していくのが私たちの仕事になってくるのですが、それがとても奥が深い仕事です。
施設を管理するとだけ聞くと、建物や電気や空調や机などが通常通り使える状態を保つのが仕事なのでは?と思う方もいるかもしれません。
少し前の時代のファシリティマネジメントはそうだったかもしれません。施設管理という仕事の時もあったでしょうか。
施設管理と聞くとビルの管理室にいたり清掃業者を手配したりみたいなイメージありませんかね。
ただ今のファシリティマネジメントはそんな施設の管理をするだけでなく、そこで働く人々や訪れる人にとっての価値をどれだけ最大化できるかを求める仕事になっています。
働くしくみやルールについても助言をし、手助けをすることもFMの重要な仕事です。
Facility Management(FM)の定義
かっこよく英語で書いてしまいましたが、ファシリティマネジメントはアメリカで生まれた、新しい経営管理の方式なのです。
国際標準のISOでは「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」と定義されており、
日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)でも「業務用不動産(土地、建物、構築物、設備等)すべてを経営にとって最適な状態(コスト最小、効果最大)で保有し、運営し、維持するための総合的な管理手法」と定義されている。
ここで注目なのが、「経営」という言葉が使われていることです。
そう、ファシリティマネジメントは、そのファシリティを保有する組織が経営活動の一環として整備し、活用する非常に重要なツールなのです。
組織の中でも、人事・財務・ICT・FMと言われ、第四の経営基盤として注目を浴びるようになってきた、今ホットな業界です。
ファシリティマネジャーの仕事
ファシリティマネジメントを行う人のことを、ファシリティマネージャーと呼びます。JFMAでは毎年、「認定ファシリティマネジャー」の資格試験を行っており、合格すれば立派なFM人の仲間入りになります。
そのFMの仕事といっても非常に多岐にわたります。
扱うファシリティの種類も多くあるので、今回は私が職としている、オフィスを扱うFMについての詳細を説明します。
オフィスの構築
FMの花形といってもいいでしょう。
昨今では働き方改革や健康経営など働くということに対してより注目が集まっています。外国人から定年後の勤務、女性の活躍できる会社になど、企業がそれぞれの施策を打ち出しながら、それらに合った働き方や働く場を整備し、ダイバーシティ化を進めようとする企業も非常に多くなっています。
ABW(Activity Based Working)といった自分に合った働く場所を選びながら勤務する新しい形も出てくるなど、常に新しさが生まれてきています。
私もオフィス構築のプロジェクトマネジメントをしております。
しかし、ただオフィスを設計して工事をして働く環境を整えるだけではありませんし、オシャレなオフィスを作ればいいわけではありません。
そこで働く人たちの生産性を向上させ、企業にとっての投資価値を最大化させることを考えるのがFMの仕事なのです。
私の会社では、「ハードの力を使ってソフトな生産価値を最大化させる」これが合言葉?になっています。
一般的な企業ではFM部門は持っておらず、おそらく総務部の方が一生懸命なれない仕事を進めているのではないでしょうか。
FMはオフィス構築のプロとしての専門性を備えながら、各所のさらなる専門的知識を持った方々をまとめるかじ取りの役割を行うのです。
また一般的な総務の肩代わりとして、工事費用の査定・交渉をこれまでのノウハウの蓄積によってできたベンチマークに従って行います。
これは何年かに1回というペースで移転や構築をしている一般企業ではできないことです。
不動産管理
大企業では、複数の拠点を構え、全国または世界規模での経営基盤としてファシリティを考えていく必要があります。
その際はその拠点をどこに設けるのか、どれくらいの家賃で借りれるのか、それによって企業のブランディングも変わってきますし、ランニングコストも大きく影響します。
そんな不動産を管理し、時には売却を行ったりするのもFMの中で行います。
保守・評価・統括マネジメント
もちろんオフィスを作ったら終わりではありません。
ファシリティのランニングコストは、初期投資を大きく上回ります。
オフィスができた後の機能を維持するための保守的なサービスや、現状のオフィス、またはそのサービス自体を評価し、それを改善につなげていくことも非常に重要です。
オフィス構築など実働する人たちがその非常に多くのタスクを管理するためのツールを整備したり、管理するファシリティの一覧を更新したりと、バックグラウンドで行う業務もあり、そのサポートがあって管理するファシリティ同士が連動した形をとることができるのです。
資格もある!認定ファシリティマネジャー資格
先にも少し出しましたが、FM業界にも資格があるのです。
JFMAが定めている認定ファシリティマネジャーがその資格に当たります。
毎年7月に行っている試験(学科・小論文)に合格すると認定証が与えられます。
今後はFM業界も拡大していくことかと思いますので、資格試験が激戦になる前に今のうちに取ってしまいましょう。
しっかりと過去問を勉強でき、ファシリティについての的確な考え方と論述ができれば決して難しくありませんので、ぜひチャレンジしてみてください!
過去問対策には、4年分の過去問記載の問題集、論述対策にはJFMAから出ている書籍がおすすめです。ちなみに私は教科書は買わずに過去問をやりまくりました。(建築士のアドバンテージも多少はありましたが。)
ファシリティマネジメント会社はどんな会社?
ファシリティマネジメントを専門に行っている会社は多くはありません。
〇〇ファシリティーズとついている会社もありますが、多くは施設管理の仕事内容が多いので、いわゆるFMとしての発注者代理としての活動はしていない印象です。
私も転職活動をしているときにこのFM業界に出会ったため、やはり認知度はまだまだ低いです。
転職活動をする身からしたら、逆にチャンスです!
フォーバル・リアルストレート
明豊ファシリティワークス
パーソルファシリティマネジメント
ダイヤオフィスシステム
これら以外にも規模は様々ですがFM会社はまだあります。
これから就職活動、転職活動を考えている方はファシリティマネジメントをキーワードに一度調べてみる価値はあるかと思います。
FMのいいところは仕事内容以外にも、働き方を考える会社でもあるので、自社の働き方は非常にホワイトでストレス少なく働くことができます。
ぜひこの機会にファシリティマネジメント業界をチェックし、足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
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*1:日本ファシリティマネジメント協会http://www.jfma.or.jp/whatsFM/より
*2:日本ファシリティマネジメント協会http://www.jfma.or.jp/whatsFM/より